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新入生へのメッセージ

2020.04.11

新入生へのメッセージ

暖かな春の訪れが感じられる今日の佳き日、聖徳大学附属取手聖徳女子中学校・高等学校の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
本来であれば、御来賓の皆様にも御臨席を賜り、中学校第37回・高等学校第38回の入学式を挙行し、多くの方々からお祝いのお言葉をいただき、皆さんを祝福するところでしたが、それがかなわないことが残念でなりません。

保護者の皆様におかれましては、このたびは数ある学校の中からわが聖徳学園をお選びくださり、お子様の教育を我々に委ねていただきましたこと、大変光栄に存じます。お子様の御入学を心よりお祝い申し上げます。我々教職員は、誠意をもってその信頼にお応えする所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、皆様ご承知のように新型コロナウイルスの感染症の拡大は依然として終息せず、本日予定された入学式も新入生ガイダンスに変更して実施せざるを得ないような状況であります。皆さんは、ここまでの期間をどのように過ごされましたか。日々変化する先の読めない状況下で、「本当に新学期がスタートできるのか」、「学習の遅れはでないのか」、「これから日本は、いや、世界はどうなっていくのか」、そして何よりも「自分自身や家族が感染してしまったらどうしよう」などと、心配で不安な日々を送られてきたのではないでしょうか。

本校においては、まず3月2日より4月6日まで臨時休業としました。その間、在校生の学びを止めないために、家庭学習課題を適切に課すことはもちろん、Microsoft office365 teamsを使って、各教科から課題を配信し、生徒たちは主体的に課題に取り組んできました。
新入生の皆さんもこのシステムを活用できるようにするため、本日、ガイダンスを行います。現在は5月6日まで臨時休業を延長しましたが、こういったICT機器を駆使し、リモート授業を展開し皆さんの学びをサポートしてまいります。そのためにも、皆さん一人ひとりが規則正しい生活をおくり、咳エチケットや手洗い等の感染症対策を徹底し、健康維持に努め、感染症拡大を止める力となりましょう。

さて新入生の皆さん、新しい生活のスタートに当たり、いくつか皆さんに望むことを申し上げたいと思います。まず皆さんに望むことは、「頭」と「心」と「体」をバランスよく鍛えてほしいということです。学校が再開されれば、早く本校の生活リズムに慣れてください。例えば、朝、校門をくぐると先生方や守衛さんが 皆さんに挨拶をしてくれます。一日の始まりを爽やかな挨拶で、と願ってのことです。「挨拶は心を開く魔法の言葉」これは統括校長である川並芳純前校長が入学式に必ずお話しされた言葉です。本校の建学の精神「和」は、挨拶から始まります。皆さんも朝、校門で挨拶をされたら元気な声で、挨拶を返して欲しいと思います。
午前中の授業を終えてお昼になると、楽しい会食があります。成長期の皆さんにふさわしい栄養バランスの取れた食事。しかし、会食はただ栄養を摂るためだけにある訳ではありません。友人たちと楽しく、正しいマナーで食事を摂ることを学ぶ場でもあります。お箸やお茶碗の持ち方、ナイフ・フォークの使い方等、日頃当たり前のように使っているものも含めて、自分自身の食事のマナーを見直し、より洗練された 食事のマナーを身につけていただきたいと思います。
会食後には「友和班清掃」というものがあります。これは高校3年生から中学1年生までで作る縦割りの班で、普段の学校生活では出会うことのない先輩と出会う場でもあります。みんなで協力して 清潔な学習環境を維持すると共に、この偶然とも言える出会いも大切にして欲しいと思います。
授業が終わって放課後になると部活動があります。学校はもちろん勉強の場ではありますが、貴重な青春時代を勉強だけで過ごすのではあまりに無味乾燥とした学園生活になってしまうでしょう。共通の目的を持った友人たちと集う部活動にも、是非積極的に参加し、その苦楽を共にすれば、必ずや生涯の友人が作れると思います。

頭や体は一人でも鍛えることができるかもしれません。しかし、心は一人では磨けません。多くの人とのかかわり合いの中で育まれるものです。どうぞ多くの人と出会ってください。喜びも悲しみも共有できる、そんな友人を作ってください。学園生活に一生懸命になればなるほど、真の友人作りができると確信しています。

さて、勉強についてです。本校は、全員が上級学校への進学を目指しています。今春も、筑波大学や千葉大学などの国立大学や、上智大学などの私立大学など多くの大学・短大等、上級学校に95%以上の卒業生が現役で進学をいたしました。しかし、何もしないで結果を出した訳ではありません。勉強が嫌になったり、くじけそうになったりしながら、それを乗り越え、自分の目標を達成したのです。本校には多くの親身になって指導してくれる先生方と、共に学べる学習スペースがあります。図書館を含め、学校のありとあらゆるものを最大限に使い切って、自分の夢を実現してください。
また、近年は、学力の3要素として、従来から広く言われている「知識・技能の習得」に加え、「思考力・判断力・表現力」や「学びに向かう力・協働性・人間性」が重視されるようになってきました。生徒たちが社会に出た時に真に生かされる力、それが求められているといってよいと思います。日々の授業はもちろん、私たちは、様々な体験を通し、深く考える力・前に進む力・共に歩む力を育てていきます。
また、「答えのない問題」を敢えて考え、友とディスカッションを重ねる「探究活動」にも取り組みます。先輩たちは、これらのプログラムに取り組む中で、自分自身の将来を見つめ、試行錯誤を重ね、それぞれの進路を切り拓いていきました。皆さんもそうした上級生に負けないよう努力してほしいと思います。

さて、私自身のお話をします。私は昭和60年この学園に奉職し、今年で35年目を迎えます。この度、川並芳純前校長の後任として4月1日付をもちまして校長を拝命いたしました。前校長の川並芳純先生は両附属学校の統括校長として引き続きご指導いただきます。
私は学校教育の中で、皆さんの個性を育むことはもちろん、もう一つ重要なことは、たくさんの個性の集合体であることを認識しておくことが重要だと思っています。たとえ優秀な才能が集まっている集団でも、一つの正解を同じようなやり方でしか導き出すことのできない才能の集まりでは、とても弱い集団になってしまいます。企業でもスポーツのチームでも、様々な個性を積極的に受け入れている組織のほうが、一つのカラーにまとまっている組織よりも強いのだと言われています。優れた個性は異質の個性と共生することによって、何倍もの力を発揮することができるのです。例えば自然界においても、杉だけで植林された山よりも、様々な樹木が育っている山のほうが生態系として豊かな生命をも育み、防災能力にも優れているのです。「個性を育む」という課題は、すばらしい芸術作品を生み出す人間を育てることが目的ではなく、それぞれ違う個性が集まり、組織となって大きな力を発揮するとき、これから急速に変化する社会や、未来の目に見えないさまざまな危機に対処する力を生み出すのだと思います。皆さんの輝く個性を大切に、お互いを認め合いながら成長してまいりましょう。

最後になりましたが、保護者の皆様、ご息女の御入学、誠におめでとうございます。本校には礼法や会食・種々の学校行事、女性キャリア、探究活動、あるいは宿泊を伴う校外学習など、他校にはない特色あるプログラムが多々あります。それらはすべて「人をつくる」という本校の教育方針に基づいた大変重要なプログラムであると考えております。本校は勉強だけやっていればよいという学校ではありません。この入学を機に、ご息女を「素敵な女性」にお育ていただくため、保護者の皆様もご一緒に御入学なさったお気持ちになっていただき、共に協力しながらご息女の成長をサポートしていきたいと考えています。このご縁を大切にしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

結びに、今年度の新入生全員が、3年後、6年後に「聖徳に入って本当に良かった」と心から思えるようになることを願い、入学式式辞に代わる新入生へのメッセージとさせていただきます。

令和2年4月11日

聖徳大学附属取手聖徳女子中学校・高等学校
校 長  湯 澤 義 文