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卓581 対馬海流の出番

水越 卓治 2020.11.13

茨城県民の日、学校はお休み。静かです。


( 2020/11/13  15:46 例年、5年生の九州修学旅行の時季に、黄葉まっさかりとなります。 )

*
これと同様の日(10/1)、
自分の通った中高もお休みでした。

その母校から同窓会報が届きました。
A5版で30頁ほどの冊子が年に数回、
ときどき、寄付者一覧のページを訃報一覧と見間違え、
ひと焦りすることも、会報あるあるだったりします。

でも、今号見入ってしまったのは、

*

Covid-19(新型コロナ)による学校休業を、
時系列で綴ったページでした。
(本校と)比較するという気持ちよりもむしろ、

議論と判断、そして、取り組む、状況を把握するといった
子ら(この学校の校歌にもある「子ら」の語句を用います)の将来を
保護するための日々の活動を想い、共感を覚えながら読みました。

特に、「…したのは、長い歴史の中で初めてのことです。」

取手聖徳における「2020年に初めて」も数知れなくなってきましたが、

これまでの卒業生が思い出に上げる首位ともいえる
5年(高二)の九州修学旅行(福岡・佐賀・長崎・熊本等への5泊)
も、今年は11/9~11/11に栃木県北部への旅と姿を替えています。


( ↑2020/11/4  11:55  5A+5Cの地理A 那須高原はケッペンの気候区分では Cfb になると判明。 )
*

( ↑2020/11/4  12:21  巨大な複合扇状地・那須野が原と、蛇尾川(さびがわ)についてのプチ発表。画面の左側手前の4人班に、席の位置から、電子黒板に映す内容について説明をしてもらっています。 )
( 蛇尾川の存在は、私が中3の東北修学旅行の際、往路の特急はつかり車内で地理の先生から景観を示されて知ったのが最初でした。)


所変わって、西九州のいにしえの話になりますが、
16世紀以降に日本を訪れ始めたポルトガルやオランダの船は、みな、
東南アジア経由で、南西からやってきました。それも、

外洋(太平洋)を黒潮に乗ってではなく、
内海(付属海)である東シナ海を、
もう一つの暖流である対馬海流に乗って、
今の鹿児島、熊本、長崎の各県で交流を始め、

東国(関東など)では知りえなかった文物や宗教に触れ、
もともと、中国や朝鮮半島との交流もありながらも、
なおのこと、国際性に満ちた地域空間が形成されました。

具体例としては、2018年に世界遺産に登録された、
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のほか、
ジャガイモ(長崎県は生産第2位)やカステラが
長崎から全国に広まったことなどがあげられるでしょう。

例年、九州修学旅行が無事に終わると、
長崎千々石のカステラや、熊本銘菓陣太鼓等の香味が
職員室の随所で漂うところ、
今年はカステラ・ロスを憂える事態。

「知らないうちにカステラが秋の季語になっていたんだよね。」
と、5年生のいない(その上、引率団の湯澤校長先生も不在の)
お昼の会食(全校給食)で苦笑したりして、数日が過ぎました。


( 2020/11/11  12:35  みんなが入場しに来る少し前ですね。


加えて、「『天ぷら』と名の付くメニューは、
(会食で)初めてだよね。」、でした。
その上、天つゆや抹茶塩、藻塩などを伴わない態です。

天ぷら自体、
先程から挙げております16世紀の南蛮渡来の一品とはいうものの、
「鮭のカレー風味天ぷら」というメニュー名。

鰈だったらややこしや。
しかも、箸を入れてから口に運ぶまでになかなか掛かった感もありましたが、


( 2020/11/11  12:46 天ぷらなのに、身から皮を剥いで食するのは斬新。でも境目の脂やカレーの風味などで、おいしかったです。 )

なんだかんだ言って、毎日出る会食(給食)を愉しんでいることは確かです。

さて、話が対馬海流のことから著しく脱線しております。

長崎県に属する対馬の島々を抜け暖流・対馬海流は、
山口、島根、鳥取、兵庫、福井、石川、富山、新潟の沖合を抜けて、
日本海を北上しますが、その上を、

ロシア・シベリアからの、北西からの乾いた冷たい季節風が
暖流とクロスして、本州めがけて吹き込む季節がまさに今、
到来しています。


( たよれるtenki.jp さんの 2020/11/10 15:00の雨雲レーダー画面の様子。関東地方は北部の山岳部に雨か雪です。 )

関東北部・山間部では、雪がちらつく予報は、
前日月曜から出ておりました。
この雪ですが、

西九州から流れてきました対馬海流から、
冷え冷えカサカサのシベリア発の北西季節風に向けて、
蒸気がもんもんと立ちのぼり、上空に冷え固まった雪雲が、
日本海から新潟県南部山岳をめがけて雪を降らせますが、

標高の高い、尾瀬あたりの山脈を「せーの!」とでも
言うかのように超えようとした雪雲は、
ちょぴっとだけ、関東地方側におこぼれの雪をもたらしまして。

今年の5年生(高二)たちは、火曜日に出向いた
奥日光(戦場ヶ原方面)で、寒さに少し震えながらも、

九州は対馬海流由来の雪雲の姿に、
ちょびっとだけ出会えたようです。

(雪の散らつき始めた11秒間の車窓動画をご覧になれますよ。→)trim.40C8CD00-ED46-4589-8015-28D1D687AC28
( 2020/11/10  14:58  5学年主任・後藤先生撮影 )


南蛮渡来とまでは言えませんが、
奥日光で遭遇した、
九州渡来の温熱や水蒸気のあとさきとでも
思うのも乙だったのかもしれません。

来年の5年生はどんなたびになることか~。

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きょうのP.S.

おやすみだった今日(11/13)のおヒルは、
Y澤先生一押しの光風台の街中華にて、
もやしあんかけらーめんを。
真冬の再訪を決意しました。

( 2020/11/13  14:16 )