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卓583 原動力は違和感

社会 2020.11.27


( 2020/11/26  16:11 芝生のオレンジ色は、キンモクセイなどの花粉ではなく、夕陽の光でした。)

聴き逃したラジオ番組が4日以内なら聴けるradiko で、
昨日11/26の15:20からJ-waveでオンエアされていた
絵本作家・五味太郎先生との対談を、日中聴きました。
終戦の頃のお生まれなのに、若々しい声でいらっしゃいます。

「言葉、文字、絵が一体化している表現が好き。」
「ストーリーをはじめから作るのは趣味ではなく、むしろ、
何が自然で何が不自然か、違和感がヒントになっている。」

創作時に受けたインスピレーションのお話とともに、
含蓄に満ちているけど爽やかな語り。
あっという間の20分間でした。
お聴きできたことを幸甚に思いました。

小職の場合、
「違和感」を授業で一つの転換力にしてきたようにも思います。
創造においても、追体験においても、
違和感は力の源であるのかもしれません。

今週、「廃棄物貿易の時代」と題した高二の授業で、
手始めに、班ごとで校内の廃棄物のある風景
(改善の余地があると思われる風景)を撮ってきて~
という時間をとりました。





( 2020/11/25 4校時や会食の時間に5A+5C音楽科の生徒が激写 )
( ひじきやなめこを憐れむ同情票なども入っているようです。)

出るわ、出るわ。
リユース、リサイクルできそうなのに。
使用されなくなって放置されている旧式の機器類。
食べ残しゼロで食事をしても、少量の廃棄分が出てしまう。
などの思いで撮ったとの説明でした。

自分の学校という日中を過ごす社会単位の中で、
廃棄物とそのゆくすえをめぐる違和感を
ひとまず共有しまして、

学校所在地である取手市を管轄する
常総地方広域市町村圏事務組合(常総環境センター)の
廃棄物の分別はどうなっているか、サイトで再確認。

「可燃」「不燃」に分けているタイプですが、
資源ごみの中に「プラスチック製容器包装」という分類があり、
水洗いするなどして付着物なしのきれいな状態で
分類された袋に入れて回収場所に出すべきなのですが…。


( 小職宅の実物を学校へ。特に「K滅の刃」のT治郎は意識していません…。)
(授業で提示も終わり、もちろん学校から自宅へ持ち戻りました。)

国内の自治体による分別パターンはさまざま。
特に、「不燃」に至っては、
有料での回収となる離島などもありますし(他島への輸送費)
呼称も「燃やせない」「埋め立て」など、
処理方法を意識した表記が見られます(この5行の内容は、
5月のオンライン授業で各自に調べてもらったりもしました)。

分別方法を全国で統一してはという意見も出そうですが、
処理方法が地域地域で多様ゆえ、
1.2億人が3000kmもの島弧に住むこの国では、
統一の実現は費用的に考えても、選択されないでしょう。

そしていつしか、
廃棄物の処理も国際関係を見せ始めています。
日本も、発生量が増加する「廃プラスチック」や「古紙」を、
他国へ輸出するようになってきたわけです。

廃棄物をめぐる国際関係や国内事情を見るため、
3つの事例について、こちらで選んだ記事のURLを生徒に配信し、
わずかな時間で読んで、班単位で疑問点を書いてもらいました。

事例の概要です。
・中国…日本などからの廃棄物輸入を数年前からやめた。東南アジア諸国が輸入するようになったが…。
・スウェーデン…周辺諸国から廃棄物を積極的に輸入し、火力発電に活用している。
・マラウイ…処理施設が造れない。廃棄物の貿易はないが、国内の廃棄物がたまりつづけ、売れそうなものを不衛生な状況下で探す人々もいる。





( 2020/11/26  8:40-10:30 )

廃棄物が飽和し、処理しきれず、他国へ輸出している状況。
廃棄物を積極的に受け入れ、電力に替えている状況。
廃棄物が回収までで処理はできず、不衛生と貧困な状況が続いている状況。

国内の事例、他国の事例も考察し、
身近な社会単位では、どのような解決策を内外のために
施すとよいのであろうか。


( 2020/11/26  10:26 )

どの班にも共通して出てきた傾向や、
そんな見方は考えもしなかったと思う意外性をベースに、

五味先生が語られていた「違和感がヒントになる」活動を、
アクティヴ型、探究型の授業で、記憶に刻まれる体験と
なるように進めていけば、

多彩な表記・表現にあふれた定理や教訓が
獲得できそうな気がします。

期末テストの直前ですが、
テストばかりが学びではないと感じる数日間となりました。

「記事一覧」へのリンク
ARCHIVE

P.S.

11/25のお昼の献立は、

ご飯 なめこ汁
鶏肉のはちみつ焼き ひじきの煮物
さつま芋のオレンジ煮 お茶、800kcal。

おかわりのなめこ汁をすくうとき、
自分の目と手は縁日の金魚すくいと同様の動きをしています。

そして、違和感。
お箸でいただけちゃう一品に対して…。

ううん、違和感が違和感を生んだか、これは。

以上になります。