取手聖徳陸上部35thトピック7『跳躍と七種競技の県高校トップレベルと比較』
保健体育 2021.03.13
トピック7では、跳躍種目と七種競技にスポットを当てたいと思います。
跳躍種目の茨城県での初入賞者は、創部2年目の茨城県選手権大会の走高跳で第6位に入賞した児玉綾子(りょうこ)でした。この選手は、中学校時代に走高跳を行っていたと言うのですが、自分がいくつを跳んでいたかもわからないレベルの選手でした。入学後すぐに走高跳の背面跳びを指導したところメキメキと力をつけて県選手権に挑みました。その日私は、審判をしていたので走高跳が終わって結果報告があり、第6位に入賞したことがわかり、大変喜んだことを覚えています。本校にとって初めての関東大会への出場の切符獲得でした。その後この選手は、走幅跳や槍投で力をつけ、高校2年の時に七種競技で全国高校選抜大会に出場し、第8位入賞。そして高校3年次は、全国高校総体の走幅跳で決勝進出。全国高校選抜大会の七種競技で第3位という素晴らしい成績を残しました。七種競技は、未だ破られていない県高校記録となっています。この全国高校選抜大会での第3位に入賞しましたが実は全国ランキングトップで大会に臨みました。しかし、本人は大会直前に陸上競技マガジンを見て、自分が全国ランキングトップと言う事がわかってから大会までの約1週間眠れなかったようです。私は、この大会に現地入りして、前日に埼玉栄高校の大森先生のところに名刺を持って挨拶に行きました。すると大森先生は「全国ランキングトップの高校の先生がわざわざすいません。先生は中学時代、埼玉県三郷市で棒高跳をやっていた小川君ですね。』と言われ、この人は、すべて知っているのではないかと思い、「勝てないかも?」と思ったことを覚えています。結果は、その通りで本人も緊張してうまく点数を上げていくことができず、それに対して、埼玉栄の選手は順調に得点を伸ばし結果的に1位・2位独占で本校の児玉が3位という結果でした。大森先生とは監督としては、そこからの挨拶するようになり、親しくしていただきました。
跳躍と混成の全国大会の入賞は、延べ6回。
県大会(県高校・県新人・県選手権)での優勝は、走高跳が4回、棒高跳が4回、走幅跳は12回、三段跳が1回、七種競技が4回です。
入賞者数は、走高跳が68回、棒高跳が37回、走幅跳が82回、三段跳が35回です(七種競技は調べていません)。
≪全国大会入賞≫
【全国高校選抜大会(インターハイ扱い)】
七種競技競技 第3位 児玉 綾子(1989年)
七種競技競技 第8位 児玉 綾子(1988年)
【全国高校総体(インターハイ)】
走高跳 第8位 高木 貴子(1995年)
【国民体育大会】
少年B走幅跳 第4位 渡辺 和江(1996年)
少年A走幅跳 第5位 渡辺 和江(1998年)
少年共通棒高跳 第8位 山内 裕香(2011年)
≪県大会 優勝者≫
【県高校総体 優勝者】
〈棒高跳〉1人(2017~実施) ①河合奈美(2017)
〈走幅跳〉4人 ①大上ゆう子(1991)、②渡辺和江(1997)、③渡辺和江、④脇田さつき(2007)
〈七種競技〉3人(2001~実施) ①渡部聖子(2007)、②山口真未(2008)、③山口真未(2009)
【県高校新人 優勝者】
〈走高跳〉3人 ①高木貴子(1993)、②圓城寺幸子(1999)、③渡耒由里(2000)
〈棒高跳〉1人(2016~実施) ①河合奈美(2017)
〈走幅跳〉6人 ①下川 円(1993)、②渡辺和江(1996)、③渡辺和江(1997)、④小川美幸(1999)、⑤村木奈々(2001)、⑥小松崎美希(2002)
【県選手権 優勝者】
〈走高跳〉1人 ①高木貴子(1995)
〈棒高跳〉2人 ①山内裕香(2010)、②山内裕香(2011)
〈走幅跳〉2人 ①渡辺和江(1997)、②渡辺和江(1998)
〈三段跳〉1人 ①鈴木深雪(1996)
〈七種競技〉1人 ①児玉綾子(1989)
≪高木貴子の走高跳 1995年;インターハイ;第8位≫
≪渡辺和江の走幅跳 1998年;国体少年A;第5位≫
≪山内裕香の棒高跳 2011年;国体;第8位≫
【番外編 走高跳・走幅跳と七種競技の県高校トップレベルとの比較】
≪走高跳・走幅跳と七種競技の県高校トップ選手との比較≫
以前、2004年~2013年の10年間の茨城県高校の走高跳トップレベル選手の伸び率を調べました。高校時代に1m55以上跳んだ選手を中学校から高校3年までに記録の軌跡を調べると33名でした。学校別にすると4名で本校がトップ、次に県立T.K(南)と県立S.T商(水)が3名、2名が6校、1名が9校でした。そして、本校が1986~2020年までに1m55以上跳んだ選手は13名います。
また、同じように走幅跳でもトップレベル選手の伸び率を調べました。高校時代に5m25以上跳んだ選手は33名でした。学校別にすると本校が9名でダントツトップ、次に3名で県立S.T1(西)、2名が3校、1名が15校でした。本校が1986~2020年までに5m25以上跳んだ選手は16名います。
七種競技においては、1998~2015年の18年間で4,000点以上の選手を調査しました。すると10名で、2名の学校が本校と県立T.K(南)と県立M.T.S(水)の3校で、あとは1名が4校でした。本校が創部以来4,000点を超えた選手は4名います。茨城県高校記録(4,688点=15“6-1m58-9m38-25”8-5m45-35m32-2‘29“8)も創部4年目(1989年)に樹立し現在も破られていません。
棒高跳と三段跳びにおいては、県高校総体と県高校新人大会で実施されたのが最近なので県トップレベルの選手との比較ができませんが、県選手権の結果を見ていただければどのような活躍したかはわかりと思います。
茨城県高校記録で走高跳が1m77の河北貴子(土浦日大;インターハイ入賞)選手、走幅跳が5m89の高橋久恵(土浦日大;インターハイ2位)選手、七種競技が4,688点の児玉綾子(取手聖徳;全国高校3位)の3人は同級生です。走高跳と走幅跳のスパースターの陰にいたのが本校の児玉綾子でしたが七種競技で成果をあげました。
≪茨城新聞に切り抜き 七種競技で県高校新記録樹立≫
【跳躍でご指導いただいた先生方】
[走高跳];越川 一紀 先生(順天堂大学陸上競技部 部長;元成田高校監督)、後藤 一彦 先生(元茨城陸協 強化部長)
[棒高跳];山﨑 国昭 先生(棒高跳元日本記録保持者);成田高校時代の外部コーチ;本校の外部コーチもお願いしました。
[走幅跳];越川一紀先生(順天堂大学陸上競技部 部長;元成田高校);走幅跳の空中フォーム練習の踏切版の作り方を教えていただきました。