5年生の『世界史探究』の授業をしました。
岩崎 一好 2023.09.08
5年生の世界史探究の授業をしました。授業のアウトラインを紹介します。
1校時目
(1)なぜ「歴史」を学ぶ必要があるのか?。
なぜ「歴史」を学ぶ必要があるのか?それは「温故知新」、過去から現在を理解するためです。今の世界の特徴はどのような過程から作られてきたのか。そして、世界が向かう方向は何がよいのかと考えるために必要なのが「歴史」です。
現在の国際、国内の問題は、その現象だけを捉えるだけでよいのか?そうではないのです。ウクライナ戦争、領土問題、移民の問題などから考えると、歴史をたどらなければ、今の問題を捉えることができないですね。それがどのように現代までつながっているのか、なぜ現代で問題となっているのかと考えれば、現代をより深く理解できることになります。そして、日本から遠く離れた場所で発生している問題が日本にも同時影響してきているし、逆に日本で起こった出来事が日本の中だけで完結しない状況が現実にある。グローバルな時代が進展すればするほど、その傾向は強まっています。
現代の課題は、地域、戦争、領土問題、移民の問題、エネルギー問題、食糧問題、人口問題などが、結びつきながら、私たちの面前に現れています。対岸の火事では済まされないのです。こうした状況を踏まえて「日本はどうする」「私たちの生活はどうなる」ことを考える必要があるのです。「日本の現実、未来」「私たちの現実、未来」を考えるには世界的視野から考えることがとても大切です。その意味で「世界史」を学ぶ意義は重要になってきます。
(2)事例研究 「 第1次大戦時のイギリス外交とオイルショック」
「歴史」から現在の国際課題を視ることを「オイルショック」を事例に説明しました。
2校時目
(1)ウクライナ戦争から見た日本の国際的課題
探究の視点は「なぜロシアはウクライナに侵攻し、この問題が日本にどう関係があるのか?」
この探究課題について、以下の観点の説明を加えながら、生徒との対話を中心に考えました。
➀「そもそもなぜロシアはウクライナを侵攻したのか」
ロシアとウクライナの歴史や冷戦期から続く、東西問題から説明しました。
② 国連やG7の国々、世界はなぜウクライナを直接助けないのか?
国連安全保障理事会の対応の限界、ロシアとの軍事バランス、NATO加盟国の都合などを頼りに、ウクライナの非情な現実の前に、厳しい壁があることを踏まえて、皆で意見を出し合いました。
③ ウクライナ戦争は、日本にどのような影響を与えるか。
現在、輸入品に頼っている日本では、国内の価格高騰に歯止めがかかりません。ガソリンスタンド、お店に行くと実感します。1校時に取り上げた「石油ショック」の問題の繰り返し、同様な構造であることを確認しました。
そして、領土問題として「台湾有事」についても触れました。中台問題は日本にも大きな影響を与えることを説明し、ウクライナ戦争が決して「対岸の火事」ではないことを伝えました。
これを機に、様々な国際課題を「歴史」を頼りに、ひも解き、理解すること、そして未来を考えるようにしてくれるといいなあと思います。
楽しい時間でした。皆さん。ありがとうございました。