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卓772 隣の駅まで

水越 卓治 2024.07.12

先々週の土曜日。

( 2024/6/29  16:16   相鉄線・JR線  羽沢横浜国大駅  )

こちらの駅を初めて利用しました。
5年前に開通・開業した、比較的新しい線の新しい駅。

帰り際、券売機の上にある運賃表を。
Suica等を使っていると乗る前に運賃を確かめることは
切符を買ってた時代と違って、ほぼほぼなくなりました。

右上の方に、天王台と取手が1,280円と掲出されています。

ですが、ここ、羽沢横浜国大駅の付近の運賃表示を
よくよく見ますと・・・、

お隣の武蔵小杉へは 320円とありますが、
そこで乗り換えての藍色の線で1駅の新川崎へは、
なぜか230円に値下がりしています。

さらに、1つ先の横浜は320円ですが、
そこから薄いブルーの線に乗り換えると、
またなぞの値下がりが。
東神奈川と新子安が、230円。
そして、その先の鶴見は、この運賃表で最安値の180円に。

鶴見までは、すごろくみたいに駅数を数えると、
武蔵小杉、新川崎、横浜、東神奈川、新子安、鶴見と
6駅あるのに、なぜか最安値の180円也とはこれいかに。

じつは、これらの駅の位置関係を一般図から抜き出すと、
次の図のようになっています。

羽沢横浜国大の隣の駅は、この図で見ると、
東の方にある鶴見で、調べると、8.8km離れた隣の駅。
で、運賃表では隣で表されている武蔵小杉は、
鶴見から北へ進み、新川崎を過ぎた先に位置しています。
鶴見・武蔵小杉間は、7.8km 離れているようです。

こちらはJRの車内で見かける首都圏の路線図の抜粋ですが、

羽沢横浜国大を通るエメラルドグリーンの路線を見ると、
お隣は、鶴見でも新川崎でもなく、武蔵小杉となっています。
その距離、16.6kmで、17分ほどかかるようです。

実際に乗ると、たしかに鶴見と新川崎の両駅のすぐ脇を通るの
ですが、乗り降りできるホームがこの線には設置されておらず
結果的に次の停車駅は武蔵小杉でしかないようです。

もともとこの路線は、貨物列車専用の線路でして、そこにも
旅客列車も走らせようと改造したまではよいのですが、
鶴見駅や新川崎駅にはもともと貨物線の線路にホームなどなか
ったため、ホームを新設することもなく、最初から全列車が
通過・無停車という様式を選んでの開通だったのです。

しかし、距離をもとに計算する運賃については、
鶴見に停まる停まらないに関係なく、羽沢横浜国大へ伸びる路
線は、鶴見からの支線のような扱いで運賃を計算するようにな
っており、上掲の羽沢横浜国大・鶴見間の営業キロ8.8kmには
7~10km区間の運賃である180円が適用されているようです。

( 2024/6/29  渋谷までは32分、新宿までは38分と、各副都心へのアクセス良好。)

ちなみに、羽沢横浜国大から「隣の駅」の鶴見へは、
JR線だけの利用でどうやって行くのか。

…乗換案内サイトで検索してみますと、
*羽沢横浜国大→(相鉄・JR直通線、1駅・18分)→武蔵小杉
*武蔵小杉→(横須賀線など、2駅・11分)→横浜
*横浜→(京浜東北線、3駅・9分)→鶴見

と2回も乗り換えて、40分以上かかってやっと着くよう
なのですが、この移動経路を図にすると…、

あろうことか、鶴見駅を2度も素通りしたあげく、
3度目の正直でゴールできるという珍経路。
もちろん、不正乗車にはならず。

そのうえ、ターミナル駅・横浜でエキナカ・ecuteなどに
寄ろうものなら、隣の鶴見にたどり着くまで2時間以上
かかってしまうのか…(まぁ、楽しめる移動なら文句なし)。

このような摩訶不思議・運賃の箇所は、
ほかにも探すと結構あるのかもしれませんが、

運賃マップ、路線図、位置関係の正しい一般図の三者での
描かれ方がそれぞれが大きく異なる事例というのは、
地理や交通や図形に興味を持つ者としては、
突っ込みどころ満載な題材です。

ほかにも、羽沢横浜国大から直線距離で5km程度に位置する
新横浜へは410円と、21~25kmに相当する運賃になっている
ことなども見どころ・考えどころですが、
きりがありませんので、このへんで。

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