卓774 36°N×140°E
水越 卓治 2024.07.26
つくばみらい市・下長沼。
同市を縦貫する県道130号線から、
田の中の道に分け入ります。
( 2024/7/23 12:57 )
常磐自動車道の谷和原IC(やわらインターチェンジ)と、
つくばエクスプレス・みらい平駅の中間に広がる田園地帯。
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格子状に網羅する農道は、人はおろか、抜け道として通る車に
も全く出くわさず、白鷺たちのパラダイスとなっています。
ゆるく蛇行する小貝川に架かる橋がほとんどないため、
このゾーンを突っ切っていく人や物の流れはおそらく、
住民の方々以外、いなさそうです。
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( 地理院地図から。白い矢印は、上の写真で向いている方向・位置。黄緑の囲みは、この田園地帯。)
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この日は、上の空中写真中の
黒い「+」の地点を目指していました。
この「+」の地点というのが、
整数同士の緯線・経線の、交点。
陸地にある日本の領土上にこの交点はいくつあるかを
数えてみると、
( 残念ながら、南西諸島、伊豆・小笠原諸島、北方領土などの島嶼部には該当する地点は見出されませんでした。)
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39か所在りました。
それらの大半は急峻な山奥深くに位置しており、
きょう目指す地点はかなり訪れやすい場所かもしれません。
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余談ですが、ものすごく惜しいものとして、
北緯34度、東経131度の交点が。
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山口県 下関市の長府港付近。
ここの交点は海上だったので、
数には入れませんでした。
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お話はつくばみらいの田園に戻りまして。
スマホのGNSS(GPS)で出る、現在地の緯度・経度を見ながら、
北緯36°0′0″ 東経140°0′0″ に近い地点へ。
( 2024/7/23 13:04 )
誤差1秒(1″)の地点を見つけました。
下の図で青い丸の位置。
紙ベースの25000分の1地形図の図郭にある、
北緯36度の目盛り、東経140度の目盛りから
緯線・経線(グリーン)を引くと、交点は田んぼの中に。
(ピンクの矢印の経路で西南西に向けて走行し、南南東へ左折。もっとも交点に近い農道上の地点が、誤差1秒の地点と判断(紫色の丸印)。)
( 経線や緯線の位置は2002年に改正され、同年以前の地図に載っていた経線・緯線の位置からともに数百mずつ移って今に至っています。これについてはp.s.2をご参照ください。)
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ここから、北北東に見える筑波山方向をふり返ります。
おそらくこの田んぼの中に、
整数値の緯線と経線が、こんな具合で通じているのかもしれません。
交点に立つことはできませんでしたが、間近に見ることはできまして。
「だから何?」なポイントですので、
予算を投じて公園やら道の駅やら観光地とかにまでする必要はないかな・・・。
ここは白鷺たちのパラダイスのままでよいと思います。
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『記事一覧』へのリンク
ARCHIVE
P.S.1
上の地点を訪れる十数分前まで、
常総市 新井木町にある麺店で、
納豆麺&ライスをいただいておりました。
以前にもご紹介したことがあったかもしれません。
真夏の英気養いランチ。
( 2024/7/23 12:24~12:40 )
ちなみにこのお店の裏にも、
東経140度線が南北に通じていることがわかりました。
P.S.2
2002年4月以降に「世界測地系」が導入され、経線や緯線の位置は、それまで採用されていた「日本測地系」のもとに描かれていた位置から、数百mずつ移動しました。要するに、本来の地上で測量を行ってきた時代の標準から、人工衛星で全世界的に汎用する標準へと転換したことによるものです。
「日本測地系」時代、今回話題にしました経線・緯線の交点は、20万分の1地勢図4枚(4図幅)の境目の交点にもなっており、この地域を1枚の地図上で眺めることが困難だったのを思い出します。
下の図は、1980年代に発行された20万分の1・土地利用図(「地理院地図」より)で見た交点周辺ですが、紫色の十字が、2002年までの旧い方の交点になります(その右下の黒の十字は今回訪れた、新・交点)。
「千葉」「東京」「水戸」「宇都宮」の4枚の20万分の1地勢図の境目の角にあったのが、この旧・交点だったわけです。
以上になります。