卓777 雪原の思い出
水越 卓治 2024.08.16
先週土曜は、夏休みのちょうどど真ん中あたりでした。
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わけあって、レトルトカレーを湯煎中。
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( 2024/8/10 12:33 この日も外気は32℃。 )
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非常食をはじめ、家にある食品の
消費期限や賞味期限をチェックしておりますと、
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青森県で買ってきたレトルトカレーが二袋。
賞味期限は3/18で、5か月弱ほど過ぎてしまっていますが、
じつはよりおいしくなっているのではという可能性を信じ、
家人(娘)が取手駅前のカレー屋で買ってきたセットメニュー
(ヒマラヤカレーセット(激辛))とともに頂いてみました。
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( 2024/8/10 12:47 りんごカレーは一袋のみ調理(上の方のお皿)。 )
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チキンがふんだんに入った辛めのヒマラヤカレーと交互に。
案の定、リンゴのほどよい酸味の利いたルーの風味は、
賞味期限4か月超えをものともしない芳醇さでした。
2種を交互にいただくことでなおのこと実感できた次第。
というわけでここからは、真夏の日常から、
冬の津軽の雪原へ。
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( 2024/1/29 10:34 JR奥羽本線 北常盤・川部 間 ほぼ真西に、岩木山の稜線が見えます。)
このりんごカレーを買ってきたのは、
半年前に日帰りで青森県を訪れたときでした。
新青森から弘前(ひろさき)へ向かう車内から見える岩木山
(津軽富士)。この日は、行きも帰りも頂上が
拝めずじまいでした。
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地理院地図と、同範囲の空中写真で、
経路を大ざっぱにお示しします。
岩木山の等高線は、
50m,100m,200m,500m,1000mが引かれている模様。
嶽温泉中心部の標高は 450mほどです。
この日向かったのは、岩木山の南麓に位置する、
嶽(だけ)温泉です。弘前駅から路線バスで向かいます。
ちなみに、福島県二本松市の岳温泉と読み方は同じです。
( 2024/1/29 駅舎は15:16、他 11:13, 11:48 )
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JR弘前駅を下りた頃の気温は、
後日気象庁のサイトで調べると約4℃。
標高40mほどの市街地から、嶽温泉へは410mほどの標高差。
気候学でいう「気温の逓減率」によれば、
標高100m+で0.55℃の気温低下ですので、
2.3℃ほど低い地へ。
嶽温泉到着時は、1~2℃くらいだったと見られますが、
震えあがるほど寒かった記憶はありません。
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( 2024/1/29 12:00頃(岩木山の画だけ14:30過ぎ) 残念ながらバス会社は「嶽」をバス停に「岳」と表記してしまっています。)
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じつは、ここ嶽温泉はおととし(2022年)の年末に、
泉温・湯量ともに突如激減するという事態に見舞われました。
検索すると、いくつかの情報番組での解説が読み取れますが、
原因は不明なのだそうです。
国内のところどころでこうした事態が生じているようです。
翌年春に泉温は少し上がり始めたようですが、
営業をやめた宿泊施設や飲食店が何軒か出てしまった模様。
温泉街の中心にある旅館にお邪魔しまして、
日帰り入浴で趣のある硫黄泉につからせていただきました。
ほかにもお客さんたちが浴びに来ておりまして、
お湯の温度も量も、心配するような状態では
ありませんでしたが、1年ほどとはいえ、
ここまで回復するまでの並大抵ならぬご苦労を推察します。
( 2024/1/29 12:13~12:26 )
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嶽温泉に詳しい友人によれば、おととしの枯渇のあとに、
平成バブル期にできた大き目の宿泊施設がまっさきに
営業をやめてしまわれた模様。でもこちらの旅館の方が中心と
なって、嶽温泉の存続・復活に尽力なさっている様子でした。
…13時過ぎにお湯から上がって、お昼をいただこうと思ったの
ですが、周囲で営業している飲食店が全くありませんでした。
帰りのバスが14:30発なので、旅館のお向かいで
1軒だけ開いているお店で食べ物等を買ってきて、
旅館のロビーでいただくことをお許しいただきました。
そのお店には、お弁当とかおむすびといったような、
The 食事といったようなお品は並んでいませんでしたが、
山菜、きのこ、はちみつなどの、この地域でとれる食材やその
加工品が主力商品といった感じで、見入ってしまいました。
( 2024/1/29 13:29~14:29 )
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この日の献立: 竹の子押し鮨、 嶽きみ(だけきみ、「きみ」は「きび」と同義の模様。)
竹の子押し鮨は、いわゆる押し鮨ではなく、
青森の山で山菜とともによく採れる 根曲り竹 の竹の子に、
紅鮭と少々のもち米などを漬けた、なれ鮨寄りの飯鮨でした。
ここのお店が製造・直売をしています。
塩味も酸味もエグ味もなく、津軽地域での山海の食材の
コンビネーション、親しまれ方に出会えた感じでした。
ものすごく安いわけではありませんが、検索してみると、
扱っているネット通販が幾社もあり、愛される一品と推察。
だけきみは、嶽温泉周辺の標高400m台の畑地で陽光を浴びて
育った真夏の幸・とうもろこし(津軽では「きみ」)のことで
8月の今が、いちばんの旬のようです。このときは季節真逆の
1月下旬でも真空パックで夏山の幸を味わうことができまして
竹の子押し鮨といただく穀類としてもちょうど口当たりのよい
真冬の旅の昼ごはんとして満足なものとなりました。
( 2024/1/29 14:30~14:33、16:41 弘前駅から新青森駅へ )
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帰途。
お店の看板にある商品「りんごカレー」や、
嶽きみ風味の麩菓子をお店で購入、お店の方といろいろとお話
し、その上、下北地方産の煮たかぼちゃのパックなども貰い、
岩木山麓を下りました。…この時季ですと、
りんご畑をそれとわかる写真は残念ながら撮れませんでした。
短時間ではありますが、
関東や首都圏などで日常見るものと同じもの、
かなり異なるものの双方を訪問先で直接ふれ、
現地の方とのやりとりや、SNSでの知人からの意見や情報を
介して、
自然的・人文的な空間の構成を観察・考察するためにも、
気力と体力を今後も温存しておきたいと思います。
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P.S.1
「朝採り嶽きみ」は、7月下旬から10月下旬。
嶽地区の積雪は、11月下旬から3月中旬。
(上掲のお店のFacebookより)
ほかにも、山菜や希少なきのこが出る時季や画像などが見られます。
P.S.2
長谷川きよしさんの『鳩笛』(1974年・NHK「みんなのうた」)
の歌詞に出て来る、
「岩木山 雨にけむる日」
「思い出は 雲と流れて」 などの一節が、
今回の表題を起こす上で意識するものがありました。
以上になります。