秋の空
国語 2024.10.08
二十四節季はもうすぐ「霜降」を迎え、暦の上では〝秋が極まる〟頃を迎えますが……。急に肌寒くなったり、蒸し暑かったりと、なかなか「秋」を実感できません。
平安時代の三十六歌仙の一人、能書家としても知られる藤原敏行は、「秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」と詠みました。日本人の季節を感じる心の繊細さをよく表している歌ですが、温暖化が進んだ現代社会では、なかなか共感を得られぬ季節感なのかもしれません。
蒸し暑い中でしたが、[ 国語🌸受験補講 ]の4年生(高校1年生)たちは、集中してがんばってくれました。
今日のテーマは、助動詞「ぬ(ね)」の識別でした。
例文A 秋来ぬ。
例文B 秋ぞ来ぬ。
例文A・Bを正しく読み、文末の「ぬ」を文法的に説明し、口語訳します。1学期の補講で取り上げた「動詞の活用」と「係り結びの法則」を復習し、[ 古文助動詞一覧表 ]を参照しつつ、説明をしました。
最初にご紹介した、藤原敏行の和歌にあった「秋来ぬ」は接続助詞「と」で受けるので、「秋来ぬ。」と文が完結していると判断します。「ぬ」は文末にあり文中に係助詞もないので、「完了の助動詞『ぬ』の終止形」です。そこで「来ぬ」の「来」は連用形であり、「来ぬ」は「きぬ」と読み、「秋が来た。」と口語訳します。
「ぬ(ね)の識別」は大切なポイントなので、しっかり理解して、活用できるようにしましょう。
秋めいた写真を掲載したいと探しましたが、まだまだ〝夏のなごり〟を感じる写真ばかり……。秋を探して欲しいと思います。