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卓794 であいもん

水越 卓治 2024.12.13

冬休み(12/21~1/7)も近づき、
各科目の授業も残すところあとわずかとなってまいりました。

( 2024/12/13  7:55 )


今週は、「地理探究」の授業の、今学期・最終週。
普通科の選択「地理探究」(4単位)は、
高2で2単位、高3で2単位の、2年間継続履修での4単位。

12/11・水曜の3・4校時は高3、
12/12・木曜の1・2校時は高2がラスト授業でしたが、

( 2024/12/11 10:59 )


高3の様子は次回以降にいたしまして、きょうは、
高2の今学期ラストの様子をご紹介しましょう。


5年生(本校では高2生を5年生と称しております)は、
日本列島の中、最北端・北海道と最南端・沖縄県の食文化に、
調理を通じてふれてみるという活動に数か月前から取り組んで
おり、試験も終わってひと段落した今週の授業時間に、
最大の山場である調理実習を行いました。

( 2024/12/12  9:00  アボカドや鶏肉を下ごしらえ中の模様。 )


ローカルフードといっても、
数百年以上にもわたる伝統的なメニューもあれば、
昭和の戦後以降に根付いたメニューもある中で選んだメニュー
は・・・、

北海道については、ほぼ唐揚げに近い「ザンギ」を、
沖縄県については、戦後に根付いた「タコライス」、
となりました。9月の授業でのことです。

以降、伝播や来歴などの知識・情報の収集に始まり、
具材やその調理法なども調べた上で、
テスト明け×年末のこの時期、厨房に臨むといった格好です。

( 2024/12/12  9:00 )


毎週木曜1・2校時の授業は、1校時は教科書内容に、
2校時は探究活動に取り組む構成でここまで来ているわけです
が、11月下旬の探究の時間に、南北それぞれの調理の準備や、
由来の整理など、それ相応に進んでいたようでもあったので、

「当日、俺もなんか一品つくっちゃったりなんかして…」
などとつぶやいたところ、ノートに向かっていた5年生は
顔を上げてキラリーンとした視線を投げかけるやいなや、
「先生もどこか、本州の料理とか作るの、どうですか~」
という提案が噴出。

■どんな画像がよいのか

で、どんな「本州料理」を手掛けることになったかに
つきましては、のちほどといたしまして。


( 2024/12/12  9:17 9:25 9:27  9:28 9:28 )( 2枚目の写真で、丸皿にののっているのが芋棒になります。黄色いく見えるのは柚子です。 )




見ての通りのボリウムで、
朝の9時半にして立派な一食分の食事となりました。

いただきながらの雑談で少し驚いたこととしては、二人とも
中学生時代はコロナ禍により、調理実習授業をまったく受ける
ことができなかった、ということでしょうか。

終始手際よかったために、意外でしたが、
この日の調理時間も限られているため、家で予め下ごしらえを
してくる工程も加味されてはいたのですが、

素材同士の味の調和や、揚げたて・できたてのフレッシュ感に
あらかじめ共有していた各メニューのいわれなどの知識も手伝い、
日本・再発見の食文化体験の場となりました。

 

『記事一覧』へのリンク
ARCHIVE

P.S.
さきほどふれました、「本州料理」、
最終的には京料理である「芋棒」を作ることにいたしました。
「えびいもと棒だらの炊いたん」ともいい、お店のみならず、
家庭でも正月料理として作る一品とのことで、
時季的にタイムリーな感じで、下ごしらえを自宅でしました。

このメニューの、農林水産省による紹介サイト。

カットした真鱈の棒鱈と、京野菜であるエビイモを取り寄せ、
数日かけて棒鱈を水でもどすなどの過程も経ながら、
鱈の旨味と、エビ芋の粘り気、うな重を思わせる醤油・砂糖・
酒・みりんを合せたたれが、鍋の中でじわじわと調和していく
のを感じながらの調理となりました。

海から離れた京の都で、遠方からの魚介の乾物や
近郊の京野菜など、調理の上で味の良さを引き出し合うもの
同士を「であいもん」と呼ぶそうで、この一品のえび芋と棒鱈
は、まさにその関係であるようです。

そのうえ、ザンギとタコライスと共に膳にのぼった棒鱈を、
生徒たちも「味がしみていておいしい」と評してくれました。

先週とあるテレビ番組で、料理研究家の土井善晴先生が、
じゃがいもとベーコンを炊いたものを絶賛されていらっしゃい
ましたが、それもまた、よさを引き出し合う絶妙な関係である
点で共通であるなと思いながら、お話をお聞きしていました。

以上になります。