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春に向けて

大田 萌子 2020.03.02

本日より、新型コロナウィルス感染拡大を防ぐための休業が始まりました。
教員は、研修会や生徒の皆さんへ出す課題の設定についての会議などで
色々と動いていますが、やはり教室から元気な声が全く聞こえてこないのは
寂しい気持ちになってしまいます。
今日のお天気も相まって、暖かい春がきて、皆さんの元気な顔を見られる日が待ち遠しいです。
色々暗いニュースも流れてきますが、ぜひこの期間に普段できないこと(ゆっくり本を読む、
家の手伝いを普段よりする…等)をしつつ、健康に気を付けて過ごして欲しいと思います。音楽科としては
この期間にぜひ、普段聴かないような音楽を聴いて欲しいなと思います。

さて、昨日3/1はピアノの詩人と謳われるポーランドの作曲家、フレデリック・ショパンの
210回目のお誕生日でした。
ショパンは
子犬のワルツ、別れの曲、英雄ポロネーズ等々街中いろいろな所で耳にするピアノ曲をたくさん作曲しましたが、
実は歌曲も何曲か残しています。その中で私が一番好きな曲「春」
をご紹介します。
ポーランド語の歌詞がついていて、どこかもの悲しい旋律が、日本民謡のさくらさくらに通じるような、
とても懐かしい気持ちになる曲です。
歌とピアノのための曲ですが、今回は、ショパンと同じ時代を生きた作曲家、リストの編曲版です。
ショパン自身もピアノソロの為の編曲をしていますが、最後の和音がショパンの版は暗いまま、リストの版は
明るい和音で終わります。春を待ち望む気持ちとしては、明るい和音で終わりたい、と思いますので
こちらを演奏してみました。iPhoneでの録画ですので、音が割れていたり、お聞き苦しいところもありますが、
雰囲気を楽しんでいただければと思います。

春の歌詞、日本語訳です。

きらめく、露のしずく
泉はさざめく 開けた牧場の中で
ヒースに隠れて
どこかで牛の鈴が鳴っている

美しくて、すてきな牧場よ
瞳は喜びに満ちて見渡す
香り立つ花たちのまわりを
花咲く茂みのまわりを

草を食み歩き回れ 牛たちよ
私は岩陰に腰掛けて
大好きな、優しい歌を
ひとり口ずさむとしよう

この心地よい静かな秘密の場所!
だが悲しみが思い出の中をよぎり
私の心は溜息をついて
目には涙がにじむ

涙は目からこぼれ落ち
小川は私と一緒に歌う
高みより 私に向かって
一羽のヒバリが呼びかける

その飛翔はあまりに速く
目にはほとんど捉えられない
高く、より高く
雲の中へと消えて行く

野原を 牧場の上を越えて
なおも歌を歌い続ける
大地への愛を歌いながら
空の上へと飛び去って行くのだ!