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卓573 徒歩の時代

水越 卓治 2020.09.18

取手の街中を一列で歩く、6年生(高三)。


( 2020/9/16  15:07 取手市 東四丁目  今号、画像が計38枚! となります。

そこそこの幅のこの道路は、旧・水戸街道。
炎天下とはなりませんでしたが、多少日傘をさす程度の
日和の中、地理の野外学習(臨地観察)授業を3時間弱。


( ↑ 冒頭の写真にあるお店の斜向かい側に、道しるべ。「水戸街道/江戸より10里8丁(≒43km)」


( ↑ 街道際に生えていた松の木を伐った跡なのでしょうか。)

例年、この実習は、期末考査明けの12月中旬が定番でしたが、

今年の生徒たち7名は、最適な実施日を1学期から話し合い、
各自の大学受験のスケジュールを互いに配慮しながら、
9/16(水)の5・6校時の授業時間を希望し、この日実現。


( ↑ 2020/7/22  15:04 水曜6校時。学校周辺の地図から、どこを巡るかを討議中。 )

巡る地域も、学校から北の小貝川や山王が以前は多かった中、

今回は、学校から旧水戸街道まで出て、
旧取手宿をめざして旧道をたどり、八坂神社にお詣りするというもの。
交通手段が徒歩中心の時代の、追体験のようなプランです。

「旧」の字が連発ですが、旧版地図に経路を記入すると、


( 1904年発行の 5万分の1地形図「龍崎(龍ケ崎)」 学校の位置は「細井」集落の少し西。
青色はバス移動区間。水戸街道(陸前浜街道)の道筋は取手市内には複数あり、
「吉田」「小泉」「百井戸」「小泉」を通る道路や踏切に「陸前浜街道」の標記が現地において見られます。)

山王村の「細井」から、六郷村の「毛有」「清水」、
この当時の水戸街道であった道にて井野村を経て、
取手町の旧宿場町にある八坂神社と利根川河畔に至る約8km。

時間短縮のため、途中1.4kmは路線バスを利用。


( 2020/9/16  14:20  「光風台団地入口」から4分ほど乗って「青柳(あおやなぎ)」で下車、また歩き。 )
( 取手駅東口と関鉄竜ヶ崎駅を結ぶ路線系統ですが、十数年前までは稲敷市・江戸崎までを行く中距離路線でした。)

では、順を追って振り返ってみます。
( 話まだ始まっていなかったんですかい?)



正門付近に1時集合。出発です。


( 2020/9/16  13:02  )

下校用荷物は、同じ社会科で6学年の牧先生(日本史)
愛車で終着点までの輸送をお願いをしました。


( 13:00 )

学校から南東方向へ。


( 2020/9/16  13:20  1名だけ、自転車を引いて途中までの参加。背後はトラッカーでにぎわう県道沿いの大衆食堂。 )

ご存じのように、学校周辺は稲作を中心とした農村地域。
学校から20分ほど行くと、「毛有」の集落に。




( 2020/9/16  13:32 出発して30分。表郷用水路の右側に「毛有」地区の集会所や墓地もある「薬師堂」の屋根が。 )

毛有集落の薬師堂に。


( 2020/9/16  13:37 )

ここには、三角点が。空中写真もない時代から、
国土の地図測量のために散在する拠点で、標石があります。
さきほどの1904年の地図の中にも、三角点の表記が見られます。


( 2020/9/16  13:43 )


( 2020/9/16  13:51 )

1960年代に開通した4車線の国道6号線が見えてくると、
物流関係や、飲食店のみならず車の販売などの商業用地の
土地利用が少しずつ目立ってきます。



( ↑ 2020/9/16  13:54 藤代高校前歩道橋上から国道6号線の東北東方向を。 )

しばらく行くと、遠くにJR常磐線の踏切が。


( 2020/9/16  14:01   出発してほぼ1時間です。 )

1896年の田端・友部間の開通当初は単線でした。


( ↑ 起点の日暮里(にっぽり)から 40.579km、とあります。常磐線は、日暮里(東京都荒川区)から岩沼(宮城県岩沼市)までの343.7kmで、語尾に「本線」が付かない路線の中では、日本最長。 )


( 14:04  JR常磐線 南西方向(取手・東京方面) )

取手と藤代の駅間距離は 6.0km(東京・日暮里間が5.8km )と長く、
この踏切の付近に駅を新設する構想もあったようで、
それを期待して造成されたかもしれない住宅地も近くにあります。


( 2020/9/16  14:16  「光風台団地入口」バス停 )
( じつは皆さん順調な速さで歩いたため、予定より30分前の便に乗れてしまいました。)

このバス停で、自転車を引いてきたOさんとお別れしまして、
路線バスで停留所2つ分を移動。


( Oさんは藤代駅へと向かいました。)

「青柳」で降りると、


( 2020/9/16  14:22  田んぼの彼方には市立取手第一中学校。)

ここから旧取手宿までは、旧水戸街道沿いは家並みが連続。
これが、この日最後に見た田んぼの景観となります。


( ↑ 2020/9/16  14:45 じつはこの直前ホームセンターで17分の休憩。  )

学校周辺の稲作地帯から、
工・商・住の土地利用が入り混じる田園を経て、
酒造店など伝統的な店も並ぶのどかな街道筋へ。
建て替えてモダンな佇まいの家屋も旧道に彩りを添えています。

(利根川堤防での終了ミーティング時の Uさんのコメント)
「今回、取手を歩いていつも行っている場所でも
1本裏に行くだけでこんなにも違うんだなととても感じました。
みんなととてもたのしく3時間歩けました!
昔ながらの街並みもかなり残っていて新たな発見でした。」


( ↑ 2020/9/16  14:47 日傘が重宝しています。 )


( ↑ 2020/9/16  15:14 )

ほどなく、旧取手宿、八坂神社・境内に到着。
詣でます。


( ↑ 2020/9/16  15:17 )


(  ↑ 15:27  おみくじ、御朱印帳、などなども。 )


( ↑ 15:28 )

1970年の市制前に町役場があった市民会館の前を過ぎ、
利根川の堤防上へ。
ちなみに、10月1日で取手市は、市制50周年を迎えます。


( 2020/9/16  15:37  利根川の流れは写真の右手上方から左手上方に向けて。 )

Kさんが、岸辺まで走って往復。水面(みなも)を撮ってきてくれました。↓


( 対岸にある「小堀(おおほり)」地区との間を、有料の渡し舟が結んでいます。 )

参加した生徒には皆、簡単にコメントを言っていただきましたが、
地域の構成や、都市のもつ機能、旧道に残る歴史的な景観などが挙げられ、
形骸的な述べ方(「楽しかった」「疲れた」だけみたいな)で終える人は誰も
いませんでした。見る・感じる・アウトプットする力を思います。

取手のTの字、利根川のTの字で集合写真を撮って、おしまいにしました。


( 2020/9/16  15:36 )

 

 

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ARCHIVE

P.S.


( 2020/9/16  15:49  下校荷物を受け取りまして。 )

カリキュラムの改訂(現5年生から新カリキュラム)で、
6年普通科進学コース文系選択地理Bは今年度で終わりです。
6年選択地理Bとしての臨地観察授業の最終回でもありました。

P.S.2
もぐもぐタイム

( 2020/9/16  14:36 暑さ対策。ケーヨーデイツー取手店にて。 )

四半世紀以上前の卒業生の方々には
信じられない風景かもしれませんね。時代も変わりました。
(以上です)